山下工業所新幹線の顔づくり50年

打ち出し板金・三次元曲面成形
ハイテク製品を支える職人の会社

打ち出し板金とは

打ち出し板金の特長

  • 人の感性と体力が基本の成形法であり、エネルギーの使用量と切り粉(金属屑)や粉塵、廃液の発生も少なく、自然環境にとても優しい。
  • 成型用の専用金型が不要であるため、非常に小回りと融通が利き、試作、単品・極少量品の製作に向いている。
  • 工業製品からデザイン性の高い美術品的なもの、大きなものから手のひらに乗る小さなものまで、様々なものづくりに応用できる。

 通常、厚い木の板を削り、個々の木片を接着してつくる弦楽器のような繊細な形状も再現できる。右の写真にあるチェロは、新幹線に使うのと同じアルミ素材の板を、切って、叩いて、溶接して製作。もちろん金型は使っていません。

アルミ製チェロ

成形品のサイズ

 10メートルを越える先頭構体から、数センチ程度の小さな部品まで、多岐に渡る。鉄道車両部品の製造実績は、下記リンク先をご参照。
製造実績

 鉄道車両部品以外では、甲冑などの工芸品や美術品、建築物の内外装、航空機部品、ロケットの噴射口、自動車の試作、クラシックカーのレストア、ボートの構体や内装、開発・試作用の装置機器の筐体やカバーなど幅広い分野において適用例が確認されています。

打ち出し成形に使う金属素材

 弊社での成形品の大半が高速鉄道車両用の部品であることからアルミが主体ですが、軟鋼(SS)、ステンレス鋼(SUS304)、チタン、ジュラルミン、銅の成形実績もあります。

作業工程

CAD図

治具

  • ① 形状の輪切り断面図の作成
  • ② 形状の仕上がり精度確認用の型板(かたいた)や、製品となる金属板やフレームの切り形出し(せん断、レーザー切断など)
  • ③ 治具(複数の型板を溶接した補助具)やフレームの溶接組立
  • ④ 成形加工機、ハンドハンマーによる打ち出し成形
  • ⑤ 板の溶接と歪取り
  • ⑥ 表面仕上げ

 打ち出し成形には、製品の立体形状を輪切りにした断面図の作成が不可欠です。作業のながれは、成形品のサイズの大小に関係なく基本的に同じです。

成形に使う道具

  • 成形加工機 成形加工機 ハンドハンマーの代わりとなって金属板を叩いてくれる手動機械です。大まかな曲げに使います。
  • ハンマー 各種ハンマー 金属、ゴム、木製等
  • 鉄床 鉄床(かなどこ) 金属板を置く鉄製の台です。
  • あて板 あて板(あてばん) 金属板の裏側に片手であてがって使います。

所要時間

 打ち出し成形から表面仕上げまで(上記の④から⑥までの工程)の所要時間は、成形品のサイズや形状の複雑さ、材質、担当する技能者の数と力量などに影響され、成形品により非常に大きく異なります。
 弊社の打ち出し板金チームでは、新幹線クラスの大型車両の場合でおよそ2~3週間、モノレールクラスで1週間、計器盤の本体やカバーは数十分から数時間程度を目安に仕事を進めています。

ものづくり日本大賞

 2007年に開催された「第2回ものづくり日本大賞」で、経済産業大臣特別賞を受賞しました。多くの皆様より激励のお言葉をいただきありがとうございました。

日立製作所・森代表執行役副社長(左より2人目)、日立笠戸協同組合・浜本専務理事(右より1人目)【於・日立製作所本社】

日立製作所・森代表執行役副社長(左より2人目)、日立笠戸協同組合・浜本専務理事(右より1人目)【於・日立製作所本社】