次世代の車両に役目をバトンタッチした車両は、そのほとんどが廃車・解体され、9割超の部材はもとの金属素材等としてリサイクル後、別の役目を担うことになりますが、日立製作所笠戸工場殿に納入された以下の構体は、現役引退後も解体されることなく、各地の博物館などで保存展示されております。
引退車両
新幹線先頭構体
0系新幹線先頭構体
- Mc21-25:JR東日本・鉄道博物館/埼玉県さいたま市
東海道新幹線開業用に製作の1次車用12構体のうちの一つです。編成番号H1。1963年製作。既に閉館した交通博物館の入り口に長年設置されていました。(以下は当時の写真)
案内板(右の写真)には1978年3月までの14年半のあいだ現役車両として使用され、走行距離は612万キロ(地球を約150周)であったことが記されています。
ひかり1号の1号車となった「Mc21-26」
Mc21-25と同時期に製作された別構体は、編成番号H2、Mc21-26です。
1964年10月1日、石田禮助 (れいすけ)国鉄総裁のテープカットに続いて、朝6時に東京駅9番ホームから新大阪に向かって出発した「ひかり」1号の1号車になりました。
- Mc22-141:National Railway Museum 英国国立鉄道博物館/英国ヨーク市
同館と交通科学博物館(大阪)の姉妹提携を記念して、交通科学博物館を管理運営するJR西日本殿より寄贈された構体です。21次車用に製作。編成番号H94。1976年製作。 - Mc21-141:四国鉄道文化館/愛媛県西条市
ヨークの英国国立鉄道博物館に寄贈されたMc22-141と一卵性双生児の先頭構体です。H94編成において、Mc21-141は1号車(西向き博多方面)、Mc22-141は16号車(東向き東京方面)でした。同じ編成で使用された双子の先頭車両の両方が、ユーラシア大陸の端と端で保存展示、となりました。1976年製作。